【PCディスプレイ】ディスプレイのスペックはどう読めば良いか

PCのディスプレイにはいろんな用語が出てきます

 PCのディスプレイを買い換えようと考えました。今までは、DELLのU2414H※1をデュアルで使っていましたが6年以上経過したことと、4Kディスプレイも安価になってきてAndroid StudioやVisual Studio Codeを使うにはもう少し広い画面が使えそうと思ったこと、そして最近のIPS液晶がちょっときれいに見えたことなどからです。そこで問題になってくるのがPCディスプレイのスペック表の読み方です。いろんな用語が入り交じっていてわかりにくいので解明して行きたいと思います。

1. 画素数

 まずは画素数(ピクセル、ドット)です。

 PCディスプレイの場合、そのディスプレイの最大画素数までの間で表示する画素数を選択することができるようになっています。ですが問題なのは最大画素数です。それ以上は表示できないのでまずはそこから見ていきます。良くカタログに出ている表記と画素数を一覧にしてみました。

表記画素数
HD (FHD)1920 x 1080
WQHD (2K)2560 x 1440
4K3840 x 2160
5K5120 x 2160
8K7680 x 4320
Fig-1 画素数一覧

 ここでは画素数として表記していますが、解像度といっている場合もあります。実際は、次の項目で解像度の説明をしますのでモニタの画素数といった方が良いでしょう。今、一番多いのはHD(FHD)のディスプレイで次に4Kが多くなっています。5Kは、Mac用にLGが発売していましたが、他には見かけたことはなくあまり一般的ではないようです。8Kはまだ高価でほとんどがテレビでPCディスプレイとしてはあまり聞いたことがありません。医療用のレントゲン写真を表示するような特殊なディスプレイには高解像度のものがあるようですがここではとりあげません。

 先に書いたようにこの画素数以下の画素数であれば表示できるので一般的には「PCの解像度を変える」と言ったりします。具体的には、1920×1080のモニタで1366×768の画素数を表示する場合などです。なぜそうするのかと言うと解像度の説明が必要になるので詳しくは次項をご覧下さい。

2. 解像度

 画素数はわかりやすいと思います。では解像度って何だろうと考えてみます。

 解像度はdpiなどと表記されることが多いのですが、良く見かけるのは印刷やスキャンするときの設定です。

 dpiは、dot per inchiの略で1インチあたり何ドットで表現するかということです。これが細かければ細かいほど精細さが向上します。精細さが向上するなら細かいほどいいんじゃないかとなりますが、なかなかそうはいきません。なぜでしょう。

 Webで表記される色を例にとればRGBAという表記※2があります。これはR:赤、G:緑、B:青、A:透明度で色を表す方式でそれぞれを256階調で表現します。256階調ということは8bit必要なので8bitx4(RGBAの4つ)=32bitが1つの画素を表現するのに必要となります。1インチあたり100×100の画素で表現されていれば100x100x32bitが必要となります。1インチあたり200×200の画素数に精細度をあげると200x200x32bitとなり、4倍のデータ量となります。これをディスプレイで見るにはそれだけ精細なディスプレイが必要となりますし、印刷するにはそれだけ精細なプリンタが必要となります。また保存するためのストレージ(HDDやSSDなど)の容量も必要になります。動画であれば書き換えの負荷も増加します。そして人間はどこまで見えるのかという問題にもつながってきます。最後はコストの問題に行き着いてその妥協点で落ち着くことになります。前の項で述べた医療用の高解像度の装置などは高価でも価格に見合った効果が期待できるわけです。

 では現在一般的にどのくらいの解像度が使われているのでしょうか。

対象物解像度
Web72dpi
印刷物300~350dpi
Windows96dpi
Fig-2 解像度例

 Webでは写真なども72dpiが標準とされています。またWindowsは96dpiを100%※3※4となっています。写真の300~350dpiもこれ以上精細でも認識できないということです。例えばWindowsでは27インチの4Kディスプレイであれば150%が推奨です。

3. リフレッシュレート(垂直走査周波数)とフレームレート(fps)

 ディスプレイのスペックにはリフレッシュレート(垂直走査周波数)※5が記載されています。単位はHzで1秒間に何回画面を更新するかを表します。デスクワークや動画を見るなどの使い方であれば60Hzで充分です。60Hzということは16.7ミリ秒に1回画面が更新されます。ゲームをやる場合には144Hz(6.94ミリ秒)や240Hz(4.17ミリ秒)などの高速な更新周期のものが好まれます。

 リフレッシュレートが高速であれば画面はなめらかに更新されます。※6その場合、解像度の説明でも触れましたが画面の画素数が多ければ多いほど画面更新の負荷が高くなります。そのため144Hzや240Hzといった高速なリフレッシュレートのゲーミングディスプレイの場合画素数はFHDのものがほとんどです。

 ではフレームレートとは何かと言えばこれはPC側の画面更新性能を表します。60fpsと書いてあれば60frame per secつまり1秒間に60回画面を書き換える性能があるということです。ですのでディスプレイが144Hzであればフレームレートは144Hz以上ないと画面側が待ちになってしまいます。ゲームをやるためには、高性能なGPUが必要だという理由はここにあります。

 もうひとつ気になるのは、テレビやビデオで見る1080pや720pの記載です。※71080pは、ハイビジョン規格の1920×1080ピクセルのプログレッシブ(順次走査)動画を表します。720pは、同じく1280×720ピクセルのプログレッシブ動画を表します。同じようなスペックでも育ちが違うと言い方が異なることがあるとわかりにくいですね。

4. 応答時間

 ディスプレイのスペックには応答時間1msec(ミリ秒)といった記述もあります。ゲーミングディスプレイだと1msec、一般的な4Kディスプレイだと5msec程度でしょうか。前のリフレッシュレートの項で書いたように60Hzであれば16.7ミリ秒に1回の画面更新なので信号を受信してから5ミリ秒ていどで画面更新されれば違和感ないでしょう。しかし240Hzの場合は4.17ミリ秒となり5ミリ秒では更新がおいつきません。そのためゲーミングディスプレイでは1ミリ秒程度の高速な応答速度が必要になります。

5. 入力端子

 PCはフレームレートでディスプレイはリフレッシュレートというところまでは説明してきました。それぞれがスペックを充足していればそれで表示できるかというとその2つをつなぐ接続性能も考えないといけません。

5.1 DP (Display Port)

 DP(Display Port)は、デジタルディスプレイ用の規格で2006年に策定された新しい規格です。

 DP規格には、1.0&1.1、1.2、1.3、1.4、2.0とバージョンがあり対応するリフレッシュレートが決まっています。ゲーム用の144Hz以上のリフレッシュレートで使うにはFHDであれば1.2でも大丈夫ですが、1.4か2.0にしておいた方が安心です。※8ケーブルもバージョン毎に異なりますのでPCとディスプレイが対応していてもケーブルが古いバージョンにしか対応していなければ性能がちゃんと出ませんのでご注意を。

5.2 HDMI

 HDMIは、テレビやビデオでも一般化していますがこれも規格があります。

 HDMI規格には、1.0-1.2a、1.3-1.4a、2.0-2.0a、2.1のバージョンがあります。4Kでリフレッシュレート60Hzに対応しているのは2.0以降になります。HD対応のHDMIケーブルでは対応できませんので注意が必要です。※9

6. HDR(High Dynamic Range)

 最近よく聞くようになったHDRです。※10

 HDRは、High Dynamic Rangeの名のとおり明るさの幅が広くなっています。ディスプレイの規格としてはDispyayHDR400、600、1000と規格化されています。先の項のDisplayPortではバージョン1.4で、HDMIケーブルではバージョン2.1で動的HDRに対応しているのでHDR対応のディスプレイを使う場合はDP1.4やHDMI2.1対応のケーブルも必要となります。

7. パネルの種類

 パネルの種類はみなさん良くご存じだと思いますが特徴をまとめてみました。※11

7.1 IPS液晶

 IPS方式は価格は安くはないですが現状一番評価の高い液晶方式です。予算が許すならIPS方式を選択しておけば間違いないでしょう。

 IPS方式はVA方式やTN方式と違い視野角による輝度変化/色変化が少なくなります。弱点はコントラスト比と輝度、応答速度を高くしにくい点があります。ただ階調全域で応答速度のバラつきが少ないという特徴もあります。グラフィックプロ向けや医療向けでは高いシェアを保っています。

7.2 VA液晶

 VA方式の液晶は現在はかなりIPS液晶に近い画質へと向上してきました。価格もIPS液晶より安価なため目的や用途によってはVA方式も選択枝になると思います。

 VA方式はかなり純粋な「黒」を表現でき、コントラスト比を高くしやすい特徴があります。液晶分子の角度でバックライト香料を制御するため、見る角度によって透過してくる光量が違ってしまうので視野角による輝度変化と色変化が大きくなります。VA方式ではマルチドメインという技術を用いてTN方式より視野角による色変化を大幅に制御できるようになっています。

7.3 TN液晶

 ある程度大型のディスプレになると最近はあまり見かけなくなりました。わざわざTN液晶を探して購入する必要はないかと思います。

 TN方式は、駆動電圧が低くコストが安いというメリットがあります。ただ、VA方式と同様に視野角による色変化や輝度変化が大きいので色を重視する用途には向きません。

7.4 有機EL

 有機ELは次世代のディスプレイパネルと目されています。価格がまだ高いためIPS液晶と比較すると予算に余裕がないと手が出しづらいかもしれません。有機EL※12はバックライトが不要です。有機物に電圧をかけることで自ら発光する「自発光方式」で色を表現します。そのため非常に薄く作ることができ、一画素ごとに明るさを調整できるので完全な黒を表現できます。

 その薄さと完全な黒、そして折りたたんだり巻き取ったりできる点も今後主流になると思われる利点です。

8. まとめ

 PCディスプレイまわりの規格についてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。結構複雑ですね。せっかくPCディスプレイをアップグレードしてもPC本体の性能やケーブルの性能で真価を発揮できないことがあります。しっかりと対応状況を調べてから投資することが大切です。

 Let’s, Improve the quality.

9. 参照ページ

※1 Dell デジタルハイエンドシリーズ U2414H 23.8インチ フルHDモニタ | dell e-catalog

※2  – CSS: カスケーディングスタイルシート | MDN

※3 Windows 10でディスプレイの表示スケールの設定を変更して見やすくする:Tech TIPS – @IT

※4 Windows 10でディスプレイの表示スケールの設定を変更して見やすくする:Tech TIPS – @IT

※5 液晶ディスプレイのリフレッシュレートとフレームレートについて | パソコン工房 NEXMAG

※6 ヌルヌル動くって本当? モニターの“144Hzと60Hzの違い”は中学生に分かるのか?「Apex Legends」で比べてみた – GAME Watch

※7 「i」「p」「fps」?分からないことばっかりのフレームレートについて解説してみる – Rentio PRESS[レンティオプレス]

※8 DisplayPort – Wikipedia

※9 HDMI – Wikipedia

※10 【PR】1,000nitの高輝度とHDRでゲームはここまで変わる! PhilipsのDisplayHDR 1000対応液晶を西川善司氏が徹底解剖- PC Watch

※11 第4回 TN?VA?IPS?──液晶パネル駆動方式の仕組みと特徴を知ろう | EIZO株式会社

※12 有機ELテレビってなに?4Kとはどう違うの? | Digital FUN! | 4K液晶・有機ELテレビ ビエラ | 東京2020オリンピック・パラリンピック公式テレビ | Panasonic